医者はなんのためにあるんだ

作者:手塚治虫 先生

作品:ブラック・ジャック
キャラ:ブラック・ジャック


大飢饉に苦しむアフリカの奥地で、人間や野生動物の体が縮み最終的に死に至る奇病が発生しており、戸隠先生は現地で調査をしていたが自らも感染していた。
戸隠先生は教え子のブラックジャックを呼び、調査に協力することを要請。縮んだライオンの死体に触ってしまったブラックジャックも既に感染している事を告げる。
ブラックジャックは感染者から血清を作る事で治療薬になることを発見したが、一歩間に合わず戸隠先生は死んでしまう。
人口爆発に伴う食料不足によって奇病が発生するのが神の意志であるのなら、人口増加の一因である医学の発達は何の意味があるのかと叫ぶブラックジャックの台詞である。

進歩した医療によるジレンマは老々介護で苦しむ人達などにも通じるものがありますね。
命が助かる事は素晴らしい事である反面、単純ではない社会問題もはらんでおり、読者に思考を訴えかける手塚先生は非常に多角的に物事を捉えている事が分かります。


ギャグを飛ばしながら研究するブラックジャックと縮んだ戸隠先生
医者はなんのためにあるんだ3

正常なシマウマが、奇病で死んだ仲間の肉から免疫を獲得している事を発見する
医者はなんのためにあるんだ4

死の間際に神の意志を語る戸隠先生
医者はなんのためにあるんだ2


個人的な意見ですが人口爆発による食料や水の不足は非常に危険な問題で、例えばもし火山が爆発して地球規模の大冷害が起きた時に増え過ぎた人口を養えるだけの資源を確保できるのか疑問です。(実際に歴史上で発生しています
国際社会は人口抑制についてより具体的に計画を進める必要があるのではと思いますが、どうも経済優先で人口問題が後回しにされているのが心配です。