作者:李學仁 先生
作品:蒼天航路
キャラ:孫権仲謀
袁紹を倒し中国の北半分を手中に治め、天下人に最も近い位置にいる曹操は、次のターゲットとして荊州へと侵攻し、荊州を治めていた劉琮は戦う事もなく曹操に降伏する。
荊州の客将となっていた劉備は、曹操軍の追撃をかわし夏口に逃れ、揚州の孫権との同盟を模索し、軍師である諸葛亮孔明を孫権の元へと派遣した。
孫権の部下達は、志半ばで倒れた孫堅・孫策の悲願の為にも曹操と戦うべしという主戦派と、民を戦果に巻き込まないためにも降伏すべしという降伏派に分かれていた。
曹操は大軍勢を率いて長江を下り、孫権軍にまさに迫ろうとしている最中、部下に決断を迫られる孫権は、ゴロゴロ転がりながら屁をぶっ放すという大物ぶりを見せつけるのであった。
臭そうな豪快な屁に、孔明も思わずのけ反った。
孫権は部下達に、その無垢な感情からあふれ出る問いを投げかける。
何が乱世を引き起こしたのか、天子や董卓が悪かったのか、そもそも天子とは何か、父の孫堅や兄の孫策は天下人の器にありながらなぜ道半ばで死んだのか。
そして孫権の天命とは一体なんなのか、国や天下や歴史とは何を意味するのか?
それらの答えを知るために、孫権は曹操と戦う事を決意するのであった。
虎や猛禽を自然と飼い慣らし、転がったり謎のジャンプをしながら放屁をかます狂気を見せつつも、無垢なる心で人心を感じ取る孫権の大器を見せつける名シーンである。